「村山博士が語る宇宙の果てをめぐる最新宇宙論」(Newton2013年5月号)への疑問T

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著者 高田敞
 (以下{ }内は上記本からの引用)


1 {質問1「ずっと遠くの宇宙は、どうなっていますか」}

{村山博士は、「物理学者は普通,宇宙に端があるとは思っていません。端はむしろないと考えています」と話す。}

{どこまで行っても端がないものなど,あるのだろうか。村山博士は,次のように説明する。「たとえば昔の人が地球を考えたときに,地球の表面は平らで、ずっと端に崖があり,崖からは滝が落ちていて,そこで地球は終わるのだと思っていたという話があります。しかし,実際に端はなかったわけです。1方向にずっと行ったら戻ってくるわけですから」。}

2 考察

地球には端がないということだ。そうだろうか。地球の周囲の長さは決まっている。これは、端があるということだ。端がなければ周囲の長さは特定できない。

たとえば、ボールを考えてみよう。周囲を、ぐるぐる回ることができる。だからボールには端がないといえるのだろうか。マッチ棒を考える。ダニはこの周囲をぐるぐる回ることができる。縦にも、横にも、斜めにも、ダニなら角など平気で乗り越えて自由にぐるぐる回ることができる。マッチ棒には端がないといえるのだろうか。金平糖を考える。金平糖の上を蟻はぐるぐる回ることができる。金平糖には端がないのだろうか。

そんなことはない。

いくらぐるぐる回ることができても、マッチ棒の長さは決まっている。決して無限ではない。バレーボールの大きさと、ピンポン玉の大きさは明らかに違う。村山氏の言うように円周が無限の長さなら、球の大きさは決まらないはずだ。地球と、金平糖は明らかに大きさが違う。共に、端がないから無限の円周を持っているのに、である。大きさが違うのに、無限の長さを持つというなら、総ての物質で周囲の長さは同じ長さ(無限)になることになる。

出発点を決めたらそこが一方の端になる。そこに戻ってきたとき、終着の端になる。だから、円の周囲の長さは2πrなのだ。端がないから無限の長さになるということはない。

どこが変なのか。{1方向にずっと行ったら戻ってくる}というところだ。地球のある一点から、一方向にずっと行ってみよう。戻ってくるだろうか。否、である。まっすぐ進むと、宇宙空間に出て、はるかに、宇宙のかなたに行ってしまう。決して、地球を回って元のところに戻ってこない。戻ってくるのはどういうときか。地球表面のカーブに沿って、進んでいくときだけ戻ってくる。一方向ではない。曲がって進んでいるから元に戻るのである。曲がって進んでいるのに、一方向と言って、あたかも真っすぐ進んでいるように言葉でごまかしている手品である。

紙を置く。鉛筆で、円を書いてみよう。出発点に戻ってくる。当たり前である。紙の場合は、高さではまっすぐだが平面上で曲がっている。地球の場合は、平面上ではまっすぐだが、高さの方向で曲がっている。曲がる方向が違うだけである。

紙に直線を引いてみよう。真っすぐな線が引けた。この紙を丸めてみよう。今まで直線であった線が曲線になった。地球は平面ではない。大きすぎて、平面に見えるだけだ。その錯覚を使っている。

この世界は、すべて3次元である。それを、空間が曲がったり、宇宙を膨張させたりするために、他次元があるという理論を通すために、関係のない2次元や、1次元を持ち出したところが変なのである。

2次元の世界も、1次元の世界も、その他の多次元の世界も実際には観測されたことがない。実測されたというならその実際の例を示してほしいものだ。示せる例は一つもないでしょう。理屈はあっても、実証されていないということだ。どんな理屈も、数学も、実証されなければ、定説ではない。仮説にしか過ぎない。特に、この場合は、どんなに観測しても3次元以外はないのだから、3次元以外はないという証拠になる。この世のことは事実から始り事実に終わるしかない。だから、この世界は3次元で考えなければならない。空想の世界では、0次元から、無限次元まで何でも考えられるのだろうが、実際の世界は3次元しか観測できないから、3次元で考えるしかない。だから、地球は地表が個体の端である。だから、赤道の周囲の長さは無限ではなく、2πrで計算できる。経度に沿った地表の長さから、1mを考えることができるのである。

同じように、打ち上げ花火のように宇宙が1点で爆発して膨張したなら、それは、3次元方向に膨張しているはすである。ほぼ均一に膨張したとするなら、宇宙は打ち上げ花火が膨らむように、球形に膨張していっただろう。すると、球の表面が宇宙の端になる。球の中がこの宇宙になり、外がもともとある偽宇宙(そんなものがあるならばだが。ありっこないのだ)となるはずである。偽宇宙には端がないかもしれないが、この宇宙には端が存在するはずである。

結論

地球の中からまっすぐ進むと、地球の表面に到達する。そこが地球の端である。

 したがって、宇宙の中にある地球から、まっすぐ進むと、ビッグバン宇宙で爆発し広がっている最先端、すなわち、この宇宙の表面に到達する。そこがこの宇宙の端になるその外はこの宇宙でないのでそこから先には進めないかもしれない。宇宙がそんな風に分かれていればだが。

科学者は、1次元だの2次元だの4次元だの5次元だの1000次元だのを考えついて、この宇宙がドーナツのように、あるいは、オキノテズルモズルのように、さまざまな管を枝分かれさせているというのだろうが、この宇宙に3次元以外の次元があるという証拠は存在しない。異次元は空想の中だけ、あるいは、計算式の中だけのことでしかない。机の上の紙、あるいはコンピューターの中だけにあるものである。それを昔は机上の空論といった。